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2016.10.04

★2016年ベトナム研修旅行を振り返って ―松尾―

9月26日(月)から9月29日(木)の旅程

1年2組担任の松尾祐樹です。3月の準備段階から今回の研修旅行を担当致しました。5時間半以上のフライトに加えて、東南アジア特有の激しいスコール、アレルギー対応、関空の麻疹と様々な心配事が事前段階では御座いましたが、終わってみれば実にスムーズで充実した旅行となりました。

今回の研修旅行を実行するにあたり、3つの目標を生徒に設定させました。以下ではその内容に沿って旅行のレビューをお伝えしたいと思います。

1、異文化交流

極東の儒教文化圏とは全く異なる「生の東南アジア」を肌で感じることが今回の旅の目標の第一でした。

・熱帯気候

今回の研修旅行期間中はちょうど雨季で、毎日午後に東南アジア特有のスコール(数時間おきに晴天、豪雨を繰り返す)がありました。しかも!現地の報道によると我々が体験したのは40年に1度の激しいスコールだったそうで、舗装された道路が河のようになっていました。レインコートを羽織っただけの状態で、洪水状態の道路をかき分けながら、スクーターで疾走するベトナムの人々の逞しさを感じました。

・料理

ベトナム料理、飲茶、フレンチと様々な料理を堪能しました。行く先々のレストランは日本人観光客が多く、味も日本人好みに設定されており、とても美味しかったです。

vietnamm1ミトー市名物、エレファントフィッシュの姿揚げ

・現地校での生徒間交流

ホーチミン市内にあるレフォンフォン高校との交流会も充実した内容となりました。両校代表者挨拶に続き、両校の有志生徒が舞台上でパフォーマンスを行いました。レフォンフォン高校側は伝統衣装を纏っての歌唱(メチャ上手!)と愛国的・軍隊的要素を含んだダンスを披露してくれました。KI側は、3年生有志による「よさこい」ダンスと、1年生池戸春香による空手の演武と板割りを披露し(写真下)、演技者は大きな歓声を浴びていました。

vietnamm2

その後は、フリートークの時間として、お互いの国のこと、学校生活や趣味といった内容を英語でコミュニケーションしてもらいました。どのグループも会話が弾んでいました。

vietnamm3

2、平和学習

初日の戦争証跡博物館、二日目のベトコンゲリラ戦跡であるクチトンネル、そして日本で「ベトちゃん、ドクちゃん」の愛称でお馴染みのグエン・ドクさんによる講演会を通じて、我々はこの国が経験してきた悲しい記憶、ベトナム戦争の戦禍の一端に触れることが出来ました。

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戦争証跡博物館では(枯葉剤の影響や残酷な米兵を写した写真等)生々しい展示を見て、生徒は大きなショックを受けて唖然としていたようでした。私が特に印象深かったのは、ドクさんの講演中の生徒の様子です。一時間強の講演中、誰一人集中を切らすことなく、ドク氏に熱い視線を注ぎ、講演後は氏を取り囲み質問攻めにしていました。聞くと「僕たち戦争を知らない世代はどうやって、こうした悲惨な体験を後世に伝えてゆけば良いのでしょうか」といった質問をしていたようでした。生徒の平和学習に対する真摯な態度にとても驚かされます。
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3、リーダーシップと協調性

全体行動や班行動を通じて、リーダーシップや協調性、責任感を培う。というのが最後の目標だったのですが、私が担当した3号車バス(1年生31名)に関しては満点です。何も言うことはありません。誰一人集合時間に遅刻することは無く、移動毎に班長が点呼を取って教員側が聞く前に、報告をくれました。飛行機やバス内で騒ぎすぎることは無く、真剣にゲストや解説員の話に耳を傾けていました。以下の写真の表情から一年生の様子が伝わるのではないでしょうか。

これらを当たり前のようにやってのける生徒たちは本当に優秀であると、同行したJTBの添乗員さんも舌を巻いていました。これからの成長がとても楽しみな生徒たちです。
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余談)~英語表現の豆知識~

関空からの帰り道、今回の研修旅行に同行してくれたスコットランド人のラッセル先生と一緒に地元駅まで帰りました。

彼は食卓を同じくする日本人教員が「エスニック料理は美味しいね~」と連呼するのを聞いて、常に違和感を抱いていたのだそうです。というのも、日本人が言わんとする「エスニック料理」のイメージと、英語元来の「ethnic food」のイメージにはニュアンス上の大きな乖離があるのだそうです。

ethnic」は直訳すると「特定の民族、部族の」という意味なのですが、「ethnic food」と言うと、「cheap」「low quality」というイメージが付きまとうのだそうです。(西洋人の視点から見て)洗練された文化ではない、粗野で貧相な食事を連想するのかも知れませんね。この場合は、「Vietnamese traditional food」と英語表現すれば良いと思います。

日本語でカタカナ英語にもなっている語をそのまま英語に訳すときは注意が必要だなぁ、と思った次第です。(もちろん、ラッセル先生は日本人が悪意なくこの用語を使っていることはご存知でしたが)

社会科 松尾祐樹

 

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