教員という仕事の喜びの一つに、時折訪れる卒業生との語らいがあります。この1,2か月ほどの間にも、昨年度や2年前に卒業した生徒たちがパラパラと顔を見せてくれました。

進学先での活躍ぶりを話す卒業生がいる一方で、混迷ぶり（？）を伝える卒業生もあり、また、大学での学びを堪能しながらも、留学を志して進路変更を決意した卒業生や、交換留学生として選考されることを目指し準備に余念のない卒業生、長い煩悶を経て新たな一歩を踏み出そうとしている卒業生、就職先の決定を知らせる卒業生など、それぞれに様々な報告を聞かせてくれました。

かつては同じ学び舎で過ごし、同じ時を分かち合った仲間でありながら、卒業後は各人各様の道に進み、一人一人が実に異なった歩みを重ねていっているなあ、と実感させられます。とはいえ、進む方向は様々であっても、皆それぞれに、日々悩み、悲しみ、怒り、喜び、人生を一所懸命送っていることには変わりありません。それ故に、卒業後ほんの半年、あるいは1年半のうちに驚くほどの成長ぶりを見せてくれるのでしょう。これから先、まだまだ困難にぶつかることも数多くあることと思います。しかし彼ら彼女らの底力を持ってすれば、必ず解決の方法を見つけ、しっかりと前進してくれるものと信じています。順風の時には驕らず、逆風の時には辛抱強く、一歩一歩を進めてほしいと思います。たとえ身動きが取れず、足踏み状態から抜け出せないと感じる時があっても、長い目で見れば、それが貴重な経験になっているはず、自分の将来の財産になるはずです。

卒業生たちの様子に、私自身も大いに刺激を受けました。みるみるうちにひとまわりもふたまわりも大きくなった彼ら彼女らに負けないよう、自分自身もまだまだ成長していかなくては…と気持ちを新たにする今日この頃です。

英語科　興野美穂

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