ブログ

2022.06.28 お知らせ

今村翔吾著『八本目の槍』 講演会前の著書紹介

7月7日(木)に本校(KIHS)で講演してくださる直木賞作家・今村翔吾先生の著書の紹介です。

 

 

最後に紹介するのは『八本目の槍』という作品です。

これまで紹介した2冊とは異なり歴史色のかなり強い小説です。

日本史に疎い私は読み切れるか不安に思いながら読み始めました。案の定、物語に入り込むまで少し時間がかかりましたが、3章目くらいからまた読む手が止まらなくなり、あっという間に読了していました。

日本史に少しでも興味があれば、楽しめる作品だと思います。

 

この本のテーマは、「関ヶ原の戦い」で有名な石田三成です。

この本を読むまで石田三成について「なんとなく悪い」というイメージしか持っておらず、どのような人物であったのか、ほとんど知りませんでした。しかし、読了後には彼が生きた時代背景や、彼がどんな人柄だったのか理解することができました。

 

石田三成という人物を「賤ヶ岳の七本槍」と呼ばれた7人の盟友の視点を通して描く小説で、石田三成を色んな角度から知ることができ、彼の人物像を立体的に理解することができました。

また7人それぞれの視点が異なるので、飽きずに最後まで楽しめた点も魅力です。

 

最後の一人の章で、これまで描かれてきた物語の伏線を回収するような感覚になり、少しミステリーのような感覚も味わうことができました。

大河ドラマで登場する有名な武将の名前もたくさん出てきたので、日本史好きにはたまらない作品だと思います。

個人的には、『塞王の盾』で登場した「大津城」が出てきたところが嬉しいポイントでした。

 

500ページを超える超大作ながら、一気に読み切りたくなるほどの面白さで、満足感のある読書体験でした。読了後、あまりの面白さにもう一度最初から読みたいと感じるほど、奥深く興味深い一冊です。

 

印象に残った著者の言葉

・戻る場所があるから心を奮い立たし、新たな道を切り開けるのではないか

・時とは厄介なものだな。生きるほどに絡みついて人の一生を翻弄する

・人と謂うものは周りを取り巻くものによって、顔つきまで変わっていくものなのだ。

 

読書家 滝本恵

 

 

今村翔吾著『八本目の槍』(新潮文庫) 縄田一男の解説より抜粋

「2022年1月19日、午後11時、私はテレビの「news23」にチャンネルを合わせた。この番組には今村翔吾がコメンテイターとして出演している。が、この日は違う。彼は第166回直木賞受賞者としてゲスト出演したのである。番組は作家となって5年、編集者と共に連絡を待っていた今村が受賞の事実を知るや、初めて小説を書いた日が思い出されたと感極まって涙する様や、八本の連載を抱えつつ大阪で書店を経営している日常等を紹介していた。歴史小説との出会いは、、、、、」

 

 

『塞王の盾』に引き継き、このブログも娘の滝本恵に書いてもらいました。娘は社会人ながら年間200冊以上読破しており、読書後に感想・書評をインスタにアップ。3,000人のフォロアーがいる。7月7日に今村翔吾先生が講演に来られるので、先生の著書を3冊紹介してもらいました。今村翔吾先生の本は、学校の図書コーナーに揃えております。ぜひ手に取って読んでみてください。

 

 

講演会のあと時間が許せば今村翔吾先生のサイン会も実施します。個人で購入した本にはサインしてもらうことも可能だと思います。また、保護者の皆様にもZOOMで今村翔吾先生の講演会を配信させていただきますので、興味のある方はぜひご視聴ください。

 

国際高等課程長(教頭) 滝本武

 

大阪のインターナショナルスクール
大阪のインターナショナルスクールなら

関西インターナショナルハイスクール
〒545-00053 大阪市阿倍野区松崎町2-9-36
帰国生・帰国子女受け入れ校
高校卒業資格取得可

タグ一覧