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2022.07.22 先生のつぶやき

大地震に備えて「防犯防災総合展2022」に行ってきました

 

30年以内に「南海トラフ大地震」が発生する確率は70%~80%(*)と言われている。いつ発生するかわからない大地震に備えて、本校では対策を講じている。そして今回、対策強化を検討するためにインテックス大阪で行われた「防犯防災総合展2022」に行ってきた。

 

 

防災対策を具体的に検討するためには、本校の現状把握と周辺地域の被害想定の確認が必要だ。大阪府が発表している被害想定と大阪市阿倍野区発行のハザードマップによると、南海トラフ大地震では、大阪市内の揺れは震度6。激しい揺れが5~6分程度続くことが想定されている。約2時間後には大阪市湾岸にも4メートルの津波が押し寄せると言う。

 

本校は、北は大阪城付近から続く上町台地の上に立地。標高は11メートル。津波が本校校舎を襲うことはないだろう。震度6だと、木造の古い家は倒壊の恐れがある。本校校舎は鉄筋で、しかも耐震補強しているため倒壊や大きな損傷を負うことはないだろう。しかし、大きな波長の長い揺れ長時間続くのは、「恐怖を経験」することになる。生徒たちの心構え、そして心のケアが必要だ。同時に心配なことは、交通が分断されることだ。電車は間違いなく止まる。登校している生徒たちは帰宅できなくなる。このため、生徒も教職員も学校の校舎で寝泊まりすることを想定しなければならない。

 

4年前にも行政と対策を協議した。本校が立地する地域の災害時避難所は大阪市立常盤小学校。しかし、避難所には地域住民だけでなく、津波を逃れて大阪市湾岸地域からの避難住民であふれることが想定されている。このため、行政サイドからは、校舎に留まることが一番安全であると言われている。実際、火災が発生しない限りは、本校の生徒は校舎が一番安全なので校舎に留めてほしいと依頼されている。救援物資のことも話し合ったが、数日は自前で確保しなければならない。

 

防災上の課題を考えながら、今回、「防犯防災総合展2022」に行ってきた。インテックス大阪の指定会場にはSurvival Food(非常食)や非常時のバッテリー、トイレ問題の対策グッズ、セキュリティー・警備会社、避難所用グッズ販売会社、自衛隊や大阪府対策室、大阪府警など企業や行政のブースが50以上並んでいた。防災・防犯の専門組織がインテックス大阪に集合、というイメージだ。

 

会場では、本校に直接・間接に関係のありそうなブースを巡った。防災グッズの企業担当者や行政担当者の話を聞いた。且つ、本校の事情を説明して解決方法を探った。

 

本校では、非常時の水確保や食料の備蓄、トイレ用品の備蓄、停電時の通信用バッテリーや照明確保などに取り組んでいる。しかし、防災グッズの開発・販売に携わっている企業担当者の話は示唆に富んでいた。このため、改善点についていろいろ考えさせられた。

 

 

防災のための予算は限られている。限られた予算を最大限有効活用して、防災に取り組んでいかなければならい。「生徒の安全を確保し、命を守る」という使命を新たにさせられた「防犯防災総合展2022」参加となった。

 

国際高等課程長(教頭) 滝本武

 

追記

英語・国際教育には、「リスク管理」の視点は欠くことができない。いや、国際教育そのものが、大きな意味で「リスク管理」教育だ。世界で起こっている諸問題を知り、解決策を探る。本校の国際教育はそのような視点で行っており、環境問題、食糧問題、紛争と難民問題など、世界で起こっている諸問題を学んでいる。当然、「リスク管理」の基礎となる現実的で幅広い教養を学んでいる。

「英語を使って海外に出る」「英語を使って国際舞台で活動する」にはリスク管理能力が必要となる。「大地震に備える」こともリスク管理の一つであり、この意味でも「リスク管理」という視点が教育に必要であることを痛感している。現在の「コロナ禍」にしても「ロシアによるウクライナ侵攻」にしても、国内であれ、海外であれ何か起こるのか予測不可能な世界に私たちは生きている。「リスク管理能力」は、現在を生きるすべての人に必要な能力であると言えるだろう。

 

*2014年3月に内閣府中央防災会議において策定され、2019年5月に改訂された「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」による。地震調査研究推進本部地震調査委員会によると、南海トラフ地震については、マグニチュード8~9クラスの地震の30年以内の発生確率が70~80%(2020年1月24日時点)とされている。1944年の昭和東南海地震や1946年の昭和南海地震が発生してから、2020年はほぼ75年を経過しており、南海トラフにおける大地震発生の可能性が高まっている。

 

 

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