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2022.08.04 先生のつぶやき

集中科目(選択制科目)で「心理学入門」の授業を行っています

皆さんは「心理学」という学問にどのようなイメージをお持ちでしょうか?

人間の心を解明する学問?                                           「こころ」の中で考えていることがわかってしまうちょっと怖い学問?                    あるいは人を洗脳・操作するスピリチャル的な怪しげなもの?
などと考えている人も多いのではないでしょうか。

確かに心理学の技法は使う人によっては、善用・悪用どちらも可能です。                  しかし、それは「心理学」に限らず全ての学問についていえることです。                   ましてや心理学はまだまだ新しい学問で、しかも人の心の深いところを扱う学問のため、           それだけに注意が必要です。

それゆえ、日本の学校教育では、「心理学」は大学から学ぶことができる科目で、              高校で心理学の授業を展開していることはとても稀です。

それでも、心理分析官や心理カウンセラーを主人公としたTVドラマや本などの影響で「心理学」に興味をもっている高校生はたくさんいます。実際、KIHSでも「心理学入門」の履修希望者が多く、このため、今年度から水曜日に加えて木曜日にも授業を実施しています。

 

高校生であっても、「心理学」の理論に関する本やYouTubeのさまざまなチャンネルなどでたくさん扱われていて、興味があれば、心理学の理論や技法は簡単に自分で学ぶことができます。

しかし、いくら心理学の本を読み尽くし、YouTubeで著名な心理学者やメンタリストの言うことを理解したとしても、知識だけが先行してしまい、実際に使おうと思っても、なかなか自分の日常生活に当てはめて考えることが難しいのも「心理学」です。「使えない」だけならいいのですが、「使いかた」を間違えて、人から誤解されたり、自分や他者を傷つけることになってしまったら、本末転倒です。

私は、臨床心理士・公認心理士という公的資格の倫理観の下=人権を尊重し、専門家としての知識と技能を人々 の福祉の増進のために用いるように努める、「心理学」への誤解を解き、「心理学」は本来、「実証に基づく科学的な学問」であり、「自分や他者の幸せのために使うもの」、ということをわかりやすく理解してもらえるように独自の授業展開をしています。

 

KIHSでは10年近く前から、「心理学」の授業を展開しています。それは、KIHSのスクールポリシーである「自由と責任、個性(違い)の尊重」がそのまま心理学の理論と親和性があるからです。

KIHSで学べる心理学は心理学の理論をそのまま自分の体験や、他のクラスメートの体験にあてはめて考える体験型の授業です。グループワークやロールプレイが中心のため、教室には机がなく、椅子のみです(内職をすることも、寝ることもできません)。

 

 

心理学の授業は通年の授業なので「前期」と「後期」に分かれます。もちろん期末試験もあります。

前期は「自己理解」を中心に学びます。

・自分と他人の共通点・相違点

・人により物事の受け取り方(見かた)が違う

・脳の使い方の違い

・思考のクセ、その治し方など

 

後期は前期で学んだ「自分の理解」をベースに                                「他者とコミュニケ―ションをすること」を学びます。

・基本的なコミュニケーションの仕方

・社会の中の自分-社会心理学」

・集団心理学

・犯罪心理学など

 

受講人数の調整のため、水曜日は「心理学入門A」、木曜日は「心理学入門B」と分けてありますが、基本的には全く同じ授業内容です。

でも、メンバーが異なると授業の風景もガラっと変わりますので、そんな変化も楽しみつつ、これからも生徒たちに興味を持ってもらえるように、授業内容を工夫していきます。

みんなに楽しく「心理学」を学んでほしいです。

 

スクールカウンセラー  島田 真弓

(臨床心理士・公認心理士)

 

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