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2023.01.10 Lesson

2022.12.13. セレッソ大阪 コーチの北口雄一さんに来ていただきました

セレッソ大阪コーチ 北口雄一さんをお招きしました

¡Hola a todos! ¿Cómo están?
集中科目「スペイン語入門」の授業にセレッソ大阪和歌山U-15コーチ兼エリートクラス和歌山コーチの北口雄一さんをゲストスピーカーにお招きしました!
サッカー経験者や現役で奈良クラブのアカデミーに所属しているスペイン語入門のメンバーに少し早いクリスマスプレゼントとして今回企画をしました。(長年サッカー監督をされて、少しスペイン語が話せる社会科の井田先生にも今回授業にご参加いただきました。)

授業の始めに独特なアクセントのスペイン語で自己紹介をされた北口さん。
高校・大学時代のサッカー留学、また社会人になってサッカー監督のライセンスを取得したのは、今回ワールドカップで優勝をしたアルゼンチン!
アルゼンチンのスペイン語は非常に特徴的で、「LL」や「Y」の発音を「シャ シュ ショ」と発音をします。
(アルゼンチン以外のスペイン語圏の国の多くはジャ ジュ ジョと発音します。)
スペイン語入門のメンバー達もスペイン語で簡単な自己紹介を行いました。
“Me gusta / gustan~”の表現を使って自分の好きなものを伝えることが出来ましたよ!

先ずはご自身の人生に深く関わりのあるアルゼンチンについてプレゼンしていただきました。
南米のパリと呼ばれるアルゼンチンはアルゼンチンタンゴや美しいカラフルな街並み、マテ茶やワインで有名。また、イグアスの滝やパタゴニアなど広大な自然にも恵まれています。
スポーツも盛んで、サッカーはもちろんバレーボール、ラグビー、バスケットボールの強豪国であり、4競技が世界ランクトップ10に入っている国はフランスとアルゼンチンだけだそうです!
アルゼンチンのビデオの中で、生徒たちから歓声が上がったのが美味しそうなasado!(バーベキュー)。アルゼンチンは人口よりも牛の数が多く、サッカー留学をした際にスタジアムの周りをランニングしているところを牛の大群に足止めを食らうこともあったそう。アルゼンチンのスポーツの強さは肉食から来ている、とも言われています。

興味深いアルゼンチンの文化について学んだ後は北口さんの人生にクローズアップしていきました。
自身とアルゼンチンの出会いは6歳の時にTVで見たディエゴ・マラドーナ。W杯アメリカ大会で歓喜の雄叫びを上げる表情やその後起こった事件などに北口少年は衝撃を覚え、彼の出身国であるアルゼンチンに惹かれていきました。
W杯フランス大会、TOYOTA杯でアルゼンチンの試合を夢中になって観戦し、中学では英語では無くスペイン語の学習に力を入れていたそうです。
そんな憧れの国、アルゼンチンに初めて足を踏み入れたのは15歳の時。1か月のサッカー留学を経験しました。
その時の試合で活躍し、現地のチームからも注目されました。

その後高校時代の先輩の進学先である京都外国語大学に進学し、スペイン語を専攻。
プロサッカー選手になるため再度アルゼンチンで勝負することを決意した北口さんは,当時授業担当をしていた先生に熱意を伝えるため、今後の授業を休んでプロサッカー選手に挑戦する意気込みや情熱をall Spanishで書いた文書を手渡し、アルゼンチンに渡ってプロテストに挑戦しました。
2007年当時、アルゼンチンの経済状況は最悪で、プロテストに合格して契約をしたにも関わらずチームが給料を払えないためクビに。現在ほど日本人のサッカー選手が海外で活躍していなかったこともあり、日本人だからという理由で差別や金の無心を受け、窮地に追い込まれました。

当時は大学卒業後からプロ選手を目指すのは遅く、19歳という若さで夢破れた北口さん。
日本に戻ってからも選手としての未練を抱きながら、大学のクラブのチームメイト達が本気でサッカーしないことに苛立ちを感じていたところサッカー部の監督からコーチにならないか、と誘いを受けます。北口さんの指導者としての道が開かれた瞬間でした。
京都外大のサッカー部監督、関西学生選抜チームでのコーチとして結果を残し、アルテリーヴォ和歌山で監督を経験。
北口さんは自身の人生は「サッカーに呪われている」と話します。サッカーから離れようとしてもどんどんと縁が繋がり、サッカーの方が自分を離してくれないと言います。

初めはサッカーを軸として選んだ大学進学ですが、スペイン語圏の文化や経済等、語学以外でも大きな学びがあったと言います。
自身が指導者として歩みだした頃、アルゼンチンのメッシ選手がFCバルセロナに在籍し、大成功を収めていました。
日本ではまだスペインのメソッドを取り上げた書籍など発刊されていなかったのですが、北口さんはスペインから書籍を取り寄せて指導者について学びました。(2009年発刊の“¿Qué Es La Periodización Táctica?” )
日本ではやっと数年前に英語に翻訳された同書が発刊されたようです。
スペイン語が理解できるアドバンテージがある北口さんだからこそ出来たことでした。

最後にスペイン語、語学を学ぶメリットについてお話をしてくださいました。

①情報収集力が高まる(インタビュー・書籍など)。
言葉が分かることで、ダイレクトに現地語で情報にアクセスが出来る。日本において他者と差が出来る。

②異文化理解力が高まる。
日本のメディア情報だけでなく直接情報にアクセスすることで多角的な視点で物事を捉えられる。流行や雰囲気に惑わされなくなり、本質が見える。

③多角的な視点を持つことで自分自身を客観視することができ、自分を知る力が高まる。自分をコントロールできる。
日本国内もグローバル化が進む中、ますます多文化共生社会に順応できる人材が必要となります。様々な国にルーツを持つスペイン語メンバーは北口さんの熱いメッセージに真剣に耳を傾けていました。

頑張ることは嫌いだという北口さん。自分の「好き」を大事にしながら、歯磨きくらい簡単に毎日継続できることを続けるようアドバイスをしてくださいました。

生徒たちの感想(授業後アンケート)

・北口さん自身の今までの人生をふまえての語学力を身につけることで「何ができるか、何を得られるのか」ということがとても良くて印象に残りました。

・Muchas gracias!!!! いま、進路も趣味も曖昧な自分にこれからどう生きるかというひとつの手助けになりました。 新しい選択肢ができました! ありがとうございました♪!

・KIに来て講演をしていただきありがとうございました。 講演の話を聞いていて、人生の大変さや語学の大切さを学べました。 自分も将来の夢に向けてコツコツ頑張ろうと思いました。 ありがとうございました!

・私も色々なことに挑戦して、英語など使いこなせるように頑張ります!!

アルゼンチンでプロサッカー選手を目指し、心無い差別を経験しながらも、言語を通して様々なことを学び現在も挑戦を続ける北口さんのお話にKI生は心を打たれ自身のモチベーションになったようです。
北口さんがゲストスピーカーに来てくださった翌週にアルゼンチンはフランスを下しW杯優勝を果たしました!
アルゼンチンについて学んだスペイン語メンバーはより一層楽しく試合観戦が出来たようです。

スペイン語入門では2022年チリ、ペルー出身のネイティブスピーカーやアルゼンチンで生活経験のあるゲストスピーカーをお招きし、講演や交流を通して多くの学びを得ました。
言語を学ぶ素晴らしさや面白さをより一層実感できたと思います。

残すところ後期期末試験まで授業も残り少なくなりました。引き続き個性豊かなメンバーと楽しくスペイン語を学んでいきたいと思います。

Les deseamos próspero año nuevo 2023 y felicidad. (2023年、素晴らしい年になりますように。)

スペイン語入門担当教員 種中恵

 

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