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2023.10.12 先生のつぶやき

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に!」-模擬国連大会で取り上げました-

The Global Water Crisis

今年、本校が主催した2023年度模擬国連大会;Model United Nations Osaka)の議題は、The Global Water Crisis(世界の水危機)。
トピック1は水不足(Water Scarcity)、トピック2は水関連災害(Water Related Disasters)でした。

模擬国連大会では、生徒達は各国の代表者となり、地球規模の議題について他国の代表者(大使)役の生徒達と英語で話し合います。本番前は、各自が大使を務める担当国の水の状況について調べます。

水問題の解決のためにどうしたらよいのか、どう他国と協力できるのか、財源はどうするのかなど、難解な問いについてひたすら調べ考えます。大会当日、頑張ることももちろん大事なのですが、その準備段階の生徒たちの頑張りはなかなかのもので、本番前には口にはしませんが、心のなかで実は「すごい! すごい! 高校生がここまで水のことを考えるなんてほんとにすごい!」と感動していました。

大会当日には、皆フォーマルな服装に身を包み、たくさん準備した達成感からでしょうか、生徒たちは皆とても頼もしく生き生きとみえます。会議中も他校の高校生とのやりとりの中でいろんな感情を経験しながら、最終の決議案を導き出すまで悩みに悩んで考えます。
模擬国連大会は、英語を話す・聞く・読む・書くの4技能の力はもちろん、交渉力やリサーチ力も必要になる、とても意義深い経験ができるイベントです。

模擬国連の様子

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に!」

SDGs6
さて今回のテーマの水は、SDGsの中でも極めて重要な問題であり、私たちの生存に絶対に欠かせない基本的ヒューマンニーズの一つです。

日本は、川も多く、雨も比較的多いので水に恵まれた国と言えます。
けれども、実は忘れてはいけないことがあります。
日本は食物を中心とする多くのモノを輸入に頼っています。生産するときに水が必要なものといえば圧倒的に農作物なのですが、実はTシャツ1枚作るにも、車を製造するにも、水が必要です。日本に輸出するための生産過程で、その外国の水が使われています。
つまり、日本の水を使わずに済んでいるわけです。この水のことを「仮想水」といいます。世界の水が私たちの暮らしを支えているとも言えます。

模擬国連大会当日までの長い準備の最初の授業では、いつもの如く、身近な話から始めます。
例えば日本語には、最後が水の、漢字2文字の言葉が驚くほどたくさんあります。断水、軟水、硬水、渇水、冠水、浸水、汽水。。「汽水」というのは、淡水と海水が混じりあうところにある水です。
その様々な言葉から、いろんな違う水の状態があることがわかります。水が私たちの生活にいかに密着しているかもわかります。

模擬国連大会の1つ目のトピックは水不足(Water Scarcity)でした。
国際NGOウォーターエイドによると、世界で安全な飲み水を確保できない人は20億人以上、2050年には、世界人口の半数以上にあたる50億人が水不足に苦しむことになるそうです。どんな水でもよいわけではなく、安全な飲み水というのがポイントです。
日本の私たちは、1日一人平均約200リットル以上の水を使っていると言われています。よく見かける500mlのペットボトル400本‼分です。
しかし、その約20億人の人々は、わずかな水、しかもその水は湖、河川、用水路などからの汚い水しか使えません。
水問題
なぜか?
この原因のところ、生徒達は一生懸命リサーチをしました。
国や地域によって状況が違います。その原因を明らかにしないと、解決策を考え出すのは難しいのです。

世界の水不足の主な原因は、まず、人口増加や産業の発展による「水の使用量の増加」です。地球上の水は循環していますから、恐竜のいた時代から、地球の水の量は変化していないことになります。しかし、世界人口は増加する一方です。そしてほとんどの水は海水であったり、凍っていたりで、実際人間が使える水の量はごくわずかです。
あと気候変動による影響や、人間による水源破壊、地理的要因も大きな原因です。
最後に根底にある貧困や政治力の弱さによる対応能力の欠如なども挙げられます。数多くの問題が山積です。ひとつひとつ取り組んでいくしかないのです。どれも水に流せない問題です。

皆さんは、SDGs6「安全な水とトイレを世界中に!」にどのような取組をしていますか?

国際理解担当教員 木川梢

 

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