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2024.12.05 生徒の活躍

2024 アジア学院大阪研修に参加して

11月16日(土)、本校の教員・生徒の有志がアジア学院大阪研修にボランティア(通訳ボランティアを含む)として参加し、それぞれの場所で活躍しました。本校としては初めてホストファミリーとして研修生を受け入れてくださったご家庭もあり、感謝いたします。

アジア学院とは?

アジア学院は、栃木県那須塩原市にある学校で、アジア・アフリカ・太平洋地域の農村指導者を学生として招き、有機農業の農場運営を通して、国籍、宗教、民族、習慣、価値観等の違いを見つめつつ、公正で平和な社会実現のための実践的な学びを行い、学生のリーダーシップを育成する学校です。

ソーシャル・イシュー・フィールド・スタディ

アジア学院は一年間の学びの締めくくりとして、日本国内の都市問題に焦点を当てた研修旅行を行います。大阪ではYMCAとの共催で以下の3つのテーマでグループに分かれて行われます。本校からの参加は今年で6年目になります。
(1) 日雇い労働、ホームレスに関すること(釜ヶ崎エリア)
(2) 差別、マイノリティ、沖縄に関すること(大正エリア)
(3) 差別、マイノリティ、在日コリアンに関すること(鶴橋エリア)

釜ヶ崎エリアでの研修

釜ヶ崎エリアには教員の南(通訳)と1年生の源野心愛さんが参加しました。

①生田武志さん(野宿者ネットワーク代表)の講演
釜ヶ崎が野宿者の集まる町になった歴史的経緯や、ホームレスの現状、支援のあり方等についてお話いただきました。現在は女性や若者のホームレスが増えていることに加え、 ネットカフェ等を転々としていて、目に見えない形のホームレスも増えているようです。日本ではますます薄くなっている家族関係についても考えさせられました。

②ランチ
お弁当をいただきながら、アジア学院の皆さんの生活の様子や、各国での貧困の状況など、貴重なお話をたくさん伺うことができました。「日本ではなぜ家族が助け合わないの?」という問いに答えるのは難しいですね。

③フィールド・スタディ
笠井亜美さん(NPO釜ヶ崎支援機構主任相談員)にお世話になり、西成労働福祉センター、シェルター、三角公園(炊き出しが行われているところ)等を見学しました。参加者は、想像以上に清潔感のあるシェルターを見てホッとしたり、要塞のような西成警察署の佇まいに驚いたり。

④リフレクション
南YMCAへ戻り、アジア学院の学生主導で振り返りを行いました。それぞれ自国の状況と比較し、日本の優れているところと問題点について鋭い観察がなされていました。英語でのやり取りは日本人参加者にとってよい刺激になったと思います。

追記
ニュースや新聞でご存じの方も多いと思いますが、12月1日、大阪府・市はあいりん総合センターから野宿者を強制撤去させました。センターを唯一の生活拠点にしていた日雇い労働者の方々です。これから厳しい寒さに向かう中、居場所を失う人たちへの支援について、早急に対策を講じていただきたいと強く思います。
アジア学院ボランティア

釜ヶ崎エリア執筆:国際交流担当 南 美佐江

大阪コリアタウン(鶴橋エリア)での研修

2年1組担任の種中です。アジア学院の研修は2回目の参加で、去年は釜ヶ崎、今年はコリアタウンでフィールドワークをしました。
K-POP・韓流ドラマ人気もあってか、コリアタウンのフィールドワークの希望者は多く、KIからは7名の生徒が参加しました。

日本最大級のコリアタウンで学ぶ
コリアタウンは個人的に買い物やグルメの目的で訪問した際に、大阪コリアタウン歴史資料館で学ぶ機会がありましたが、鶴橋コリアタウンの歴史や、在日韓国人女性の識字学校である「オモニハッキョ」について多くの発見があり、心惹かれました。
今回のフィールドワークでは、アジア学院の学生さんはじめ、YMCA・水都国際中学校・高校の教職員の皆様や職員の方々のお子様、水都国際高校の現役生・卒業生など、年代や価値観も様々な計24名でコリアタウンや韓国・朝鮮の歴史を学ぶ有意義な時間となりました。
KI生たちも、大阪に住んでいても知ることの無かったコリアタウンの歴史や、朝鮮籍の人々の日本での立ち位置などに対し、驚きや感動、やるせなさを感じたことでしょう。
今回は私と、2年生の畑漣乃介くん、木山拓也くんが通訳を担当しました。日本・韓国それぞれの伝統衣装である着物とチマチョゴリの違い、鶴橋という地名、御幸森神社の歴史、また韓国の歴史の変遷や朝鮮籍についてなどを参加者に分かりやすく伝える通訳の難しさ、歴史に関する知識の必要性を感じました。
アジア学院ボランティア アジア学院ボランティア

無意識の差別、micro aggressionとは
スタディツアーの中で印象的だったのは、「micro aggression (無意識の差別)」、「 unconscious bias (無意識の偏見)」という言葉です。例えば、皆さんのスマートフォンが故障した時に「日本製じゃないからすぐ壊れた」「〇〇の国のんやからポンコツや」などといった発言を無意識にしたとします。それを聞いた周りの人がどう感じるのか。不意に出た言葉によって傷つく人たちの存在を理解した上で、言葉を選ばないといけないと強く感じました。
また、日本に居住する朝鮮籍の人々や、朝鮮学校などへの支援体制は日本国民と同じ税金を払っているにも関わらず、十分であるとは言えません。
今回のスタディツアーでの学びを友人や家族に共有したいという声がKI生から多く出ました。今後も様々なことに疑問や興味を持ち、学校内外で共に多様な経験を積んでいきたいと思います!

ホストファミリーとして研修生を受け入れた原田華音さん(2年生)
「今回、アジア学院の学生さんを我が家に受け入れました。普段知ることの無い国の様子やご経験を聞くことができ、貴重な経験になりました。私は今年の夏にオーストラリアでホームステイを経験したのですが、今回はホストファミリーの経験ができて良かったです。また、英語でのやり取りでは、自分自身の英語力の向上を感じることが出来ました。」

鶴橋エリア執筆:第2学年主任 種中 恵

 

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