今年の研修旅行は韓国・ソウルを予定していました

今年の研修旅行は、本来、韓国・ソウルに２泊３日で行く予定にしていました。
しかし、５月～６月にかけて韓国でMERS（コロナウイルスによる呼吸器障害症候群）による死者が続出したため、６月下旬に行先変更を決定しました。

韓国研修旅行の事前研修

もともと韓国研修を予定していたため、７月の初旬まで数回にわたって事前研修を実施していました。
今回の事前研修では在日韓国人の慶相龍先生から、韓国語や韓国文化、歴史、料理などを学びました。

事前研修で学んだこと（韓国留学経験のある慶相龍先生が講師でした）

９月２８日の提出日に提出されたレポートから抜粋して、生徒たちが学んだことや感じたことをいくつか紹介します。

私はもともと韓国の歌手やアイドル、ドラマに興味がありました

・慶先生の特別授業を受けて、韓国の文化や習慣、言語などたくさんのことを学びました。
私はもともと韓国の歌手やアイドル、ドラマに興味があって韓国語を勉強したことがありました。
なので授業を受ける前からとても楽しみにしていました。
韓国のあいさつや自己紹介、数の数え方を学びました。
英語や中国語と違い、日本語と言葉の順番が同じで分かりやすく覚えやすいものでした。

今までは韓国のことがあまり好きではありませんでした

・今まで自分は、韓国のことがあまり好きではありませんでした。なぜならネットやテレビ、ニュース等では韓国、韓国人についての悪いニュースや情報が流されていたからです。
領土問題などもニュースで流れていたときも自分は知識がまったく無いのに勝手に韓国が悪いと決めつけてしまっていました。そのような間違った知識を正され、本当に良かったと思います。

韓国語は最初は難しいと思いました。

・慶先生から韓国語を教わり、すごく面白かったと思いました。
最初は、難しくて理解するのが困難でしたが、英語より簡単で自分で勉強したら出来るかなと思いました。これからの世界は、英語だけでなく他の言語も話さなければならないので、韓国語を勉強したいと思いました。

国の違いを超えたコミュニケーション、人との出会いの大切さ

・慶先生の特別授業を受けて自分が学んだことは、生まれた国も違う相手と面と向き合ってコミュニケーションをとることの大切さと、人との出会いに感謝することです。

生で韓国を経験した慶先生の授業を受けて思うことは

・今回、授業で生で韓国を経験した先生から、実際に話が聞けて良かったです。
電車の中で年上の人が立っていたら、「すみませんでした！」と若い人が立って席を譲る話は、韓国は年功序列を重視すると知っていても、「そこまでするんだ」と驚きました。
・・・残念ながら反韓の人がいる日本ですが、「韓国だから嫌い」という人は勿体ないなと思います。
政治的な面や歴史的な面から見れば、上手くいっているとは決して言えませんが、韓国には美味しい食べ物もあるし、世界に通用する音楽もあるし、優しい人もたくさんいます。
「韓国人が嫌い。」なんて、本当に言ってほしくないです。
私は日本人が韓国で、そして韓国人が日本でフリーハグという運動をしているのを見ました。・・・若い人が、しっかりと日韓関係のことを考えて、解決するための行動を起こせば、日韓関係は良くなるんじゃないかと思います。

インターナショナルスクールの意義　現実の課題を乗り越えること

韓国に３年ほど留学経験のある慶先生の授業で数多くの知的な刺激を受けました。
生徒たちの感想にあるように、マスコミで流される一部の過激な人々に関するニュースを見て互いに反感を抱くことはとても残念です。
愛国心は大切だと思います。
しかし、歪んだ愛国心により悲惨な歴史が繰り返されてきました。歴史や価値観、文化の違いを乗り越え、隣国と如何に良好な関係を築いていくのか、日本にとっても大きな課題だと思います。
本校はインターナショナルスクールとしての教育を通して、観念だけの平和教育ではなく、現実の課題を乗り越えて良好な国際関係構築に寄与できる人材を育てていきたいと思います。

多民族・多文化共生とインターナショナルスクール教育

多民族・多文化共生ができるようインターナショナルスクール教育を本校は実施しているため、基本的に卒業までに一度は海外研修旅行に行き、近隣諸国を直に経験することにしています。
このため、今年は韓国に行けなかったことは残念でした。
しかし、特別授業で生徒たちが有意義なことをたくさん学んでくれたことを嬉しく思います。
教育主任　滝本武
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