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2019.07.19 生徒の活躍
学外での生徒の活躍! アメリカで行われた国際ロボットコンテストに出場しました!
6月27日から、本校の1年生の三松和香菜さんがアメリカのメリーランド州でMaryland Tech Invitational (MTI)という、ロボットコンテストに出場しました。
この大会は、First Tech Challenge(FTC)という世界22カ国が参加し、約2万チームが出場する国際ロボットコンテストにおいて、今シーズン優秀な成績を収めたチームの中から、ベスト36チームが選抜され、真の世界のチャンピオンを決めるロボットコンテストです。彼女たちのチームは、その名誉あるコンテストに日本人として、初めて選抜されました。
彼女は所属チーム(3πr.inc)に中3の9月から本格的に参加し、ロボット自体の製作ではなく大会等でチームの説明やロボットの説明などを紹介する、いわば広報係として活動しているそうです。
今回も大会前には学校で放課後プレゼンの原稿を何度も訂正し考えに考え、練習を本当によく頑張っていました。国際舞台で活躍する姿はかっこいいし誇らしいですね。たくさん経験し得てきたのではないでしょうか。
そこで今回は本人に大会の概要、会場での様子や感じたことをまとめてもらいました。
Maryland Tech Invitational ~世界の頂点を目指して~ 三松 和香菜
First Tech Challengeでは、大会に参加するにあたり、以下のような価値観(Core Values)をもって参加することが条件となっており、私たちのチームも常にこのことを意識して活動しています。
“Gracious Professionalism”と”Coopetition”です。
■ Discovery : We explore new skills and ideas.(新しいスキルとアイデアの探求)
■ Innovation : We use creativity and persistence to solve problems.(創造性と永続性による問題解決)
■ Impact : We apply what we learn to improve our differences.(互いの尊重、多様性の寛容)
■ Teamwork : We are stranger when we work together.(共同作業であることで生まれる強さ)
■ Fun : We enjoy and celebrate what we do!(楽しむ)
要約すると、他者を尊重し、アイデアや技術力を共有する、想像力を駆使して課題や問題を解決する。今よりもさらに良いものにしておくということです。
これはまさに2015年9月の国連サミットで採択された「持続化可能な解決のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標”SDGs”です。
私たちはこのような価値観を持っている海外の優秀なチームの学生たちとロボット競技大会の関りだけでなく、実社会においてロボット工学を通して持続可能な開発を実現させたいと考えています。
2025年に”EXPO2025”が大阪で開催されることが決定していますが、コンセプトがSDGsです。私たちの活動の根源となる価値観(Core Values)や考えは、SDGsそのものです。私たちの活動に万博推進室の方々が非常に興味をもっていただいており、今回、MTIにおいて、トップクラスの優秀な学生たちに、EXPO2025のPRおよびアンケートの実施を万博推進室から託されました。
競技大会全日にはボーナスプログラムに招待されました。
本題のMTIに話を戻すと、競技大会は二日間、その前日にはThe Tech Action STEM Expositionというボーナスプログラムに招待されました。NASAのドクターやJohns Hopkins Applied Physics Laboratoryのドクターの講義を直接聞くことができる特別なプログラムです。
1つ目は、NASAのプロジェクト「Parker Solar Probe」、宇宙天気(太陽フレア等)によって引き起こされる、大惨事からどのようにして地球を守るのかといった内容、2つ目は、同じくNASAのプロジェクト「DARK」についてです。小惑星が地球に衝突する可能性や、小惑星が衝突軌道に乗った場合の衝突回避についての講義を聞きました。2つとも実際にNASAで行われているプロジェクトだそうです。SF映画の話かと思っていましたが、実際にこのようなプロジェクトが行われていることに驚きました。私たちが日常平和に暮らしている一方で、人類を含め生物が絶滅する可能性もあるような事態が、地球のすぐそばで起こっているということに衝撃を受けました。
いよいよ競技大会1日目
競技大会1日目、チームビットの設営後すぐにプレゼンテーションを行うようにアナウンスがありました。ロボットの技術的なことだけでなく、チームコンセプトや出身地などについて自分たちのチームの魅力をPRします。日本チームが私たちのチームだけなので、定番ではありますが、忍者や侍、殿様などのコスプレを行いプレゼンテーションに挑みました。会場前で待機している間、緊張で顔がガチガチに固まってましたが、通りがかった海外のチームが、私たちの衣装を見てかっこいいと言ってくれたり、笑って一緒に写真を取ってくれたり、とてもフレンドリーな対応をしてくれたおかげで、それまでの緊張が一気にほぐれ、笑顔を取り戻しハイテンションでプレゼン会場に入ることができました。
プレゼンテーションは2つの要素で審査されます。
1つ目はロボット機構、プログラミングについて、2つ目は、Core Valuesです。
私たちは今回の大会に挑むために、チームコンセプトを“雅”としました。辞書を検索すると「上品で優美な、知的に洗練された情趣美」と出てきています。ロボット開発時、デザインにこだわり、繊細な動きをするようなロボットになるように、雅を意識して開発を行いました。そしてロボットの見た目、デザインがかっこいいと審査員の方や他チームの方々に褒めていただきました。私たちのコンセプトである“雅”が評価されたように感じて嬉しかったです。また、日本文化のPRにおもてなしの心をお題にし、日本の伝統であるお茶についてPRを行いました。
その後にロボット競技の予選が13試合ありました。この競技は赤チームと青チームに分かれて対戦を行います。同盟になったチームとは試合前に戦略を話し合い、プログラミングの変更を行います。ここで戦略の話し合いがうまくいかないと得点に繋がらないため、もっとも重要なことです。私はロボットの担当ではなかったので、通訳係としてサポートをしていました。やっぱり、もっとロボットのことについて知っておけばさらに深く交渉できたのにと、後悔しています。
また、チームピットでチームのPR活動を行っていて、こうした外国の方々との交流の機会は本当に少ないので新鮮で楽しかったです。しかし、他チームはもっと積極的に話しかけたり、ロボットについてどんどん質問していたりしていたので、私ももっと動けばよかったと反省しています。そして、合間にロボットの試合を見に行きました。
今回の大会を終えて感じたことは圧倒的な世界との実力の差です。結果を先に言うと、私たちのチーム成績は最下位でした。正直、会場で世界のトップクラスであるチームのロボットを見るまで、この大会を軽視していました。“自分たちはどれくらい上までいけるかな?まあ、これくらいのロボットなら上から何番目くらいにはなれるだろう”そんな軽い気持ちでいました。今まで出場してきた大会も、そんな気持ちで参加して、好成績を残してきたので今回のもそれくらいで大丈夫だろう、と思っていたのです。
しかし、大会当日、私が見たのは世界のチャンピオンたちの、“勝つために作られたロボット”です。動きも軽さもプログラムの正確さも、言葉が出ないほどでした。せっかくMTIにチャンスをいただいたにも関わらず、中途半端な目標でこの大会に出場したため、結果を残すことができず後悔しています。メンバー全員が、上を目指すということは中途半端な気持ちでは絶対に上に行けないということを学ばせていただきました。世界で100点のものを目のあたりにしたので私たちはまたさらに上を目指す、メンバー全体でそう決意しました。今回の経験で、自分自身の今までの甘い考えが変わりました。そして来年の大会では絶対にトップを奪いたいと思います。
[↑他のチームと記念撮影しました]
1年3組担任 英語科教員 橋本 真梨子
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