教育主任の話
国際社会に求められるコミュニケーション力と人材育成
国際社会に求められるコミュニケーション力と人材育成
―グローバル人材育成に取り組む本校の挑戦―
教育主任 滝本武
日本企業は、国内の若年人口が減少する状況下、収益確保と企業発展のために、海外展開を余儀なくされています。同時に、優秀な人材であれば、日本人に限らず外国人(留学生)を積極的に採用する企業が増えています。関西外語専門学校【専門課程】にもアジア圏・欧米圏出身の留学生が数多く学んでいますが、卒業後は貿易やホテル観光分野に限らず、電鉄や空港、製造、食品、流通、通訳翻訳など多様な分野の企業に就職しています。日本人は、国内で就職しても外国人と競争する時代になりつつあると言えるでしょう。
【参考記事 アメリカ大使館主催シンポジウムに参加; グローバル人材採用元年の衝撃】http://www.tg-group.ac.jp/kihs/blog/2011/06/post_46.html
確かに、日本社会のグローバル化が進行しており、グローバル人材育成がますます重要となっています。
では、グローバル人材とは、どのような人を言うのでしょうか。先日、帰国生の保護者や帰国生受入校教職員対象のセミナーで、英語ができる帰国生は必ずしもグローバル人材ではないと話されていました。「海外経験がある」、「英語ができる」ことだけがグローバル人材としての十分な資質ではないと言うのです。
実際、国内の中学校卒業生だけでなく、帰国生を受け入れ、英語・国際教育に長年携わってきた本校での経験上、同じ思いをもっています。英語はコミュニケーションのツール(道具)であることを考えると、企業が重視するコミュニケーション能力は、英語力以上に大切です。コミュニケーション力があってこそ、英語力を活かせるからです。論理的思考力や表現力、説得力、ディスカッション能力、プレゼン力はコミュニケーション能力と密接に関連しており、高校生のうちから鍛えていく必要があるでしょう。また、自ら行動できる主体性やリーダーシップ、判断力、戦略的思考力、そして、幅広い教養や知性も磨いていかなければなりません。
本校は、「生きた英語力」を鍛えるだけでなく、「真の国際人」の育成を目指す学校として、知性と行動力のある人材育成に取り組んでいます。本校が定義する「真の国際人」とは、一言で言うと”Tough negotiator”【外国人と対等に渡り合っていく人材】です。英語教育だけでなく、地球的な課題を英語で議論し問題解決を図る「模擬国連」での活躍を最重要課題としているのはこのためです。本校は、実際に『模擬国連大阪』を立ち上げましたが、英語・国際教育に励む高校も多数参加しています。
本校はグローバル化社会のニーズに応えるべく、専門学校の強みを活かし実社会に直結する教育に引き続き全力で取り組んでいく所存です。